カウンセリングでの「怒り」の扱い方
前回 の続きです。 「怒り」という言葉で感じられない場合であっても、身体にはしっかりと何かが生じています。 例えば、ほんの一瞬、わずかに、 筋肉が緊張したり、 胃がギュッとする感じが起きたり、 眉間に力が入ったり、 呼吸が一瞬止まったり、 というような身体の「反応」が起きていたり、 胸にモヤ~とかザワ~っという感覚があったり、 自分がその場から浮いていたり離れているような感じがあったり、 胃が重たい感じがしたり、 というようなイメージ的な感覚があったりします。 これらは一瞬で、微細で、ごくわずかな感覚であることもあり、 それを意識してとらえるのは難しい場合は多くあります。 カウンセリングでは、こういうわずかな感覚こそ注目していきます。 「身体―主体―私」の全体にとって大切なのは、身体、知覚すること、それが私であるということが、一連のものとして体験されていくことです。 そうすると、「私」は、このような身体の状態を「怒り」という言葉で表現するかもしれませんし、違う言葉で表現するかもしれませんし、言葉ではなくイメージを展開したり、身体の動きを伴っていったりするかもしれません。 「怒り」を身体の反応として見ていくと、「怒り」にまつわる不安や恐怖、恥、嫌悪感などを強く感じずに扱うことができます。 カウンセリングではこんなふうに「怒り」を扱うわけです。 ですが、それでも不安や恐れはつきもの。 次回はそれについて書きます。