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4月, 2023の投稿を表示しています

自分が、自分の一番の友だちになる

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カウンセリングで行うことを一言で述べるとするならば、「自分が、自分の一番の友だちになること」です。 苦しんだり悲しんだりしている中で、最も苦しめたり悲ませているのは、実はクライエントさん自身であるという側面があるのです。 「自分は不十分だ」「自分はたいしたことない」「自分が悪い」というように自分を責めていたり、 時々うける褒め言葉や喜びの言葉を、「受け取るに値しない」とか「気を遣って言っているに違いない」と受け取れなかったり、 もっとより良い自分に、より素晴らしい自分にならなければと追い込んでいたり、 辛くて苦しい気持ちを閉じこめて耐えさせようとしたり、 周りから攻撃されているのがわかっていても、何もできなかったり。 自分を苦しめたり悲しませるやり方は、こんなふうにいろいろです。 こんなふうに自分に厳しくなっていたり、自分自身に対してお手上げな気持ちになっているのには、もちろん、理由や背景があります。 緊張感をもって生きてこなければならなかったでしょうし、それが続いて感覚がマヒしたようになってきていたりもします。 カウンセリングで行うのは、こんなふうに自分を攻撃したり、いじめたり、発破をかけたりしつづける自分ではなく、 ただ一緒にそばにいて、肩を抱いたり、見守ったり、やさしく声をかける自分を育てていくことです。 作家の高橋源一郎さんは、人生相談の回答で「あなた自身を救い出してあげる」という表現を度々されています。 「自分を救い出す」。 そのために私がカウンセリングで行うのは、クライエントさんに、「あなたが思ってるような、そんな自分じゃないよ」ということを伝えていくことです。 素晴らしいことがいっぱいあって、できていることもいっぱいあって、 ものすごく頑張っているし、よくやっているし、 うまくいったかどうかや、結果がどうかではなく、これまでの「道のり」、そのプロセス、試行錯誤、それはただただ、すごいことだった!ということ これを私は何度でも何度でも伝えたいのです。 まず、私が手を差し出していきたいのです。 差し出した私の手が見えて、その手をそっと握ってみようかと思えたり、 私が一緒にいるということを感じてもらえたりして、 そういうことに少しずつ慣れていくうちに、私の声がクライエントさんの心に届いていって、 そうして、自分を慈しむ自分が生まれてきます。 初めは恐る恐る、

オンラインでのカウンセリングってどうでしょう?②

以前にも書きました が、コロナ禍以降、オンラインでのカウンセリングが一般的になりました。 そして、対面とオンラインのカウンセリングの効果などについての研究も示されてきています。 私はこれまで対面でカウンセリングを行ってきましたが、コロナ禍でカウンセリングを開業し、オンラインのみで行っています。 前回書きましたように、対面とオンラインで、実施上の違いはあるものの、カウンセリングの進み方や「効果」の点では違いがないと感じています。 私がカウンセリングで用いているAEDP™という心理療法のアプローチは、アメリカのAEDP™研究所によるものです。その研究所の教員によるトークイベント(ウェビナー)が先月あり、このテーマが挙げられました。 そこでも、オンラインという環境でも違いはないというお話が、教員からも参加者からも出されていました。 その理由の一つとして話されたことは、クライエントさんがいる場所についてでした。 クライエントさんの多くは自宅からアクセスされています。 そこは「自分の」場所。 いつもいる、慣れている空間にいることが、クライエントさんにとって安心感につながっているのではないかというお話でした。 オンライン以前は、クライエントさんはカウンセラーの場所を訪れる、というやり方でした。 そこに慣れるまでは、クライエントさんにとっては、きっと緊張感を感じながらお部屋に入っていたと思います。私自身、カウンセリングやSV(カウンセリングの指導)を受けるときは、部屋に入るまで、そして入ってから少しの間、緊張感を感じていました。 そこは「カウンセラーの場所」なので、カウンセラーの空間/世界に入っていくことに伴う緊張感があるのだと思います。 ご自宅ではなく、ネットカフェ等からアクセスされる方もおられます。 そこは自分の「場所」ではありませんが、カウンセラーの場所でもありません。 馴染んだ場所ではないですが、誰の場所でもない。 そういう安心感があるかもしれません。 オンラインならではの「場所」。それがクライエントさんにとって、カウンセリングにとって良い側面となっている可能性を、私もオンライン・カウンセリングを行う中で感じています。

ラナンキュラスはゆっくりと花開く

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私はパクチーが大好きでして、これまでに何度も栽培を試みてきたものの、いつも失敗してきました。 芽が出なかったり、芽が出てもナメクジに食べられたり、芽が大きくならずに死んでしまったり。 パクチー栽培がこんなに難しいとは。 冬にしては暖かい日が続いていた今年の初め頃、ずいぶん前に植えた種が芽を出しました。芽が出るはずの期間はとうに過ぎていたのに。すっかり忘れてさえいたぐらいです。 それから、死んでしまわないよう、毎日見ていました。 見てるからって成長するというわけでもないんですけどね。 一つだけ芽吹いたパクチー。少しずつ少しずつ大きくなってきてくれました。 そうしていると、また別のところでパクチーの芽が! ヤッター!と喜んで、これまた丁寧に水やりしてきました。 するとなんと、これまたずーーーっと前に撒いた人参の種も芽が!!! 今はパクチーはワサワサしてます💓 植物の成長は、私の浅はかな知識や経験を越えたところで、その生命の力のままに芽吹き、育っていってくれています。 私はただただ気にしたり気をもんでいるだけ…。 昨年の冬に植えたラナンキュラスの球根。 すぐに芽が出て葉がしげったものの、なかなか花芽がつきませんでした。 3月の終わりになって急に気温が上がってきたころ、花芽が伸びてきました! でも蕾から花開くまで、何日も何日もたっています。 こんなにもゆっくりと開く花。 そのゆっくりとした動きが、私の心にも積み重なっていきます。 心の動きや流れを、私は植物と重ねてみることがあります。 クライエントさんも、そして私自身も、”あるべき”流れやエネルギーのままに添っていく、 そういう感覚を大事にしたいなと思っています。