孤独がつのる12月に

12月。 クリスマスや年末年始の行事が、社会を華やかな雰囲気や忙しい空気感にする時期。 寂しさや空しさは、そんな中でより一層強く感じられます。 辛く苦しい時は、明るいもの、華やかなもの、優しいものさえ、 苦しみをより一層強く、悲しみをより一層深くさせます。 孤独は、近代が生み出した感情だそうです。 宗教や共同体からの解放によって、「個人」が生まれたこと、 自由を得たことで、「個人」として孤立することになり、 孤独はそこから必然的に生まれたという考察があります。 情報があふれ、SNSで知らない人々の様子さえ自分の世界に入りこみ、 「自分」でいるために、より多くの消費や、より強いパワーが必要となり、 人との交流でさえ、自分を価値づけるものになってしまっていて、 孤独感を埋めようとしても、その深い穴を埋めるために疲れてしまう。 今はそういう時代のように感じます。 このブログに辿り着いてくださったのは、心のどこかで深い孤独感を抱えているかもしれません。 まずは、辿り着いてくれてよかった。 そして読んでくださってありがとうございます。 私は寂しさが押し寄せるときはたいてい、自然の中へでかけます。 今の時期は、木は葉を落としていても、次の小さな芽吹きを見つけることができ、 川はただただ流れる。 鳥たちも、いつものように餌をさがし、毛づくろいをし、羽を休めていて そういう「いつもと変わらなさ」の中にいることで、孤独感を心の箱に静かに収めていける感じになります。 誰もが孤独から逃れられない今の時代の中、自分なりの過ごしかたが、読んでくれたあなたにもありますように…。 【参考】 新矢昌昭(2001),近代における孤独の誕生, 佛大社会学 第26号 フェイ・バウンド・アルバーティ(2023), 私たちはいつから「孤独」になったのか, みすず書房