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「安心」を感じるステップ 2

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安心は、完全に力を抜いてリラックスすることと、というわけではなく、ある程度の力が入っていながら「自分」でいられること、つまり、コントロール感が維持できていることと考えた方がよいと思います、 と前回のブログで書きました。 ある程度の力。 心理療法が進むと、重力感や根っこの感覚、芯がある感じが現れてきます。 これは大抵の方に自然と現れていて、この現象が共通しているのは興味深いものです。 しっかりしているのに緊張しているわけではなく、重みはあるけれど楽でもあるというような、安定した自由な感覚です。 まずは自分がどういう状態かに注意を向けていきます。 筋弛緩法は、身体の筋緊張を入れたり抜いたりすることで、自分の感覚に気づいていける、簡単でわかりやすい方法です。 私も筋弛緩法をアレンジして、筋緊張を意図的に入れることを提案したりしますが、私のセッションではさらに一歩進めていくようにしています。 単に筋肉の力を入れたり抜いたりだけでなく、力を入れているときや抜いたときの状態をより感じていけるようサポートしていきます。 また抜いたときの状態を、十分味わうことによってさらにその感覚を展開していくこともサポートします。 これは何をしているかというと、緊張やリラックスを感じることだけでなく、自分と身体の関係を体験してもらっているのです。 こういう体験をしていくと、身体は肉体(物体)としてだけでないことが展開されていきます。 イメージの世界、スピリチュアリティのような感覚、哲学的・実存的な思考へと広がっていきます。 とはいえ、こういう「ワーク」のようなことは、心理療法の中でスムーズに進むわけではありません。 世界が危険な人にとっては、「何かをする」のは苦痛を伴ったり、恐ろしいほどのパワーが必要だったりします。 絶望の中で、例えば、目線を上げて上を見てみるというようなことでさえ、絶望感のあまりできないものです。 続きは次回。

「安心」を感じるステップ 1

世界が危険に満ちたものだという体験が積み重なると、身体は常に緊張状態、世界に対して警戒した状態になり、リラックスがとても難しく感じます。 世界は危険だ、怖いとは思っていなくても、実は身体は緊張状態で、それに気づいていないということもよく見られます。 床に寝転び、目を閉じて力を抜いているところで、足や腕を持ち上げると軽い人は、無意識に力が入っています(よく見られます)。 ですので、身体の本質的なリラックスはなかなか難しい感覚です。 ボディーワークにおいて、yielding(イールド、イールディング。以下「イールド」と書きます)という概念に基づいたワークがあります。 日本ではロルフィングやフェルデンクライスなどで用いられています。 イールドは、身体を委ねる、預けるという動きや状態で、もともとはボディ・マインド・センタリングを提唱している Bonnie Bainbridge Cohen が主張しているものです。Bonnieは著書「 Basic Neurocellular Patterns: Exploring Developmental Movement 」のなかで、5つの発達上の動きを示しました。 イールドはその1つで、発達上では最初に現われるものです。 イールドは重力に対して自分の重みを預けながら、同時に、預けている対象の存在やその対象から伝わる力を受け取るという意味があり、自分の身体状態と、身体が関わる環境(他者)との相互作用が含まれています。 その点で、身体の力を完全に抜いたことにフォーカスするリラックスとは異なるとされています。 安心は、完全に力を抜いてリラックスすることと、というわけではなく、ある程度の力が入っていながら「自分」でいられること、つまり、コントロール感が維持できていることと考えた方がよいと思います。 例えば椅子の背にもたれかかると、まっすぐ座っているよりも背中の力が抜けているはずです。 そこで、抜けている力を感じられるようだったらそのまま身体の感覚に委ねていけます。 でも世界は危険な人にとっては、力が抜けることでまた緊張がさらに増します。 力を抜く=気を抜くとか丸腰になる=危険という図式が身体化しているためです。 そうすると、「リラックス感=危険」構図がさらに強化され、また、「力が抜けない」ことへの自責や諦め、恥、悲しみ、怒りなどが起きてしまいま...