効果的なセラピーのために ④心理療法の支えになるもの、効果へ良い影響をもたらすもの
前回「➂クライエントさんの側面」では、クライエントさんが自分の状態へ注目することがどのくらいできるかによって、カウンセリングの効果や速さに影響があるということについて書きました。
「自分の状態へ注目する」というのは、感情や感覚や考えが起きているときに、それに気づいていて、それを観察するということです。
これについては以前のブログでも取り上げました。
注目する
気づく
観察する
これらがわかってきて、できるようになってくると、カウンセリングはグッと進みやすくなります。
そのためにできることとして、
①理解する
②気づきの練習
があります。
①は、「コレモ(コミュニティー・レジリエンシー・モデル)」のウェブサイトで、無料の動画があり、とてもわかりやすいのでおススメです。
また、「『今ここ』神経系エクササイズ」もとってもわかりやすい本です。本には、②気づきの練習もあります。
②は、神経系的な側面、身体的な側面、認知的な側面、これら全体的なやりかたがあります。
神経系的な側面の練習は、コレモの動画や「今ここ神経系エクササイズ」が安全でわかりやすいと思います。
身体的な側面では、ヨガ、アレクサンダー・テクニークや、フェルデンクライス、日本発祥のもの、他にもたくさんあります。
キーポイントは、身体を動かしたり触れたりして、それを観察するというタイプのものです。
認知的な側面では、ジャーナリング(感情や考えの日記)が代表的でしょうか。
全体的なやりかたでは、マインドフルネス系の集中トレーニング(MBSRなど)、ヴィパッサナー瞑想、自分自身の内側にあるさまざまな自分を観察する「パーツワーク」などがあります。
こちらの本は、世界中で高く注目されている心理療法の一つである内的家族システム療法(IFS)の本で、パーツワークのエクササイズも記載されています。
いろいろご案内しましたが、日常の中で、ふとした時間にすることも十分可能です。
食事をしているときの、味や香りや触感などを、ちょっとだけ時間をとって感じてみるとか、
考えがグルグルしてしんどくなってきたときに、同時に姿勢はどうなっているかな?と注意を向けてみるとか、
空を見上げて雲が目に入ったときに、どんな感覚がしているかな?と観察してみるとか、
こんなふうに、日常の中で、いつでもどこでも、ほんの少しの時間「注意を向ける」という行為をするだけで、それが身に付いていくようになります。
カウンセリングは考えていないけれど、このような気づきの方法を知りたいとか、気づきの練習トライアルをしたいということでも、お気軽にお問い合わせください。
1回のセッションでちょっとした練習を一緒にしてみることができます。