カウンセリングの頻度②
以前にも同じテーマでブログを書きましたが、頻度や回数について追記します。
前回のブログで書いたのは、頻度や回数について特に希望がない場合でした。どんな点で頻度や回数を決めたり、イメージすればよいか、です。
ですが逆に、「〇回で」とか、「1か月以内で」などのように、カウンセリングの頻度や回数、期間について、クライエントさんのご希望や状況がすでに決まっている場合はどうでしょうか。
私は基本的にはどのような頻度や回数でもお引き受けしております。
ですがそこには自ずから「制約」があります。
というのも、「頻度や回数」などは、あくまで現実的な状況による条件なのですが、「こころ」がそのような現実状況に合わせてくれるかどうかというと、それはやはりちょっと無理があるからです。
「こころ」は、現実生活や頭で考えていることとは全く別の世界にあります。
だからこそ「頭ではわかっているけれど」気持ちは辛いとか、気持ちはうごかない、ということが起きますし、それこそが「こころ」らしいありようです。
とはいえ、やはり現実的な条件や制約がある、ということはクライエントさんにとって切実なことだと思いますので、その条件や制約の中で進めていきます。
その場合は、
①まずは問題となっている心理的なテーマについて明らかにしたり、整理する
ということが、比較的短期間・少回数でも終了しやすいです。
心理療法はここからさらに、このようにして浮かび上がってきたテーマを全体的に深めていく作業を行うものなのですが、ここまででも、自分自身について理解が深まったり、以前とは違った見方ができたりするので、一旦はここで終結、ということが可能です。
②ここからはクライエントさんとの協働作業になりますが、ちょっと勇気を出して、新しいことに挑戦してみることもできます。
私はセッションの中での体験的な作業を行うタイプの心理療法を取り入れていますので、感情や感覚の変容的な体験を進めていきます。
通常だとこの作業は不安や葛藤も大きくなるので、試行錯誤の期間が長くなる場合がありますが、
少ない回数や短い期間の中でも、いえむしろそのように限定された時間のなかだからこそ、クライエントさんの集中力が大きく発揮されることが多くあります。
この場合は、クライエントさんによって進め方を調整していますが、比較的説明を多く行いながら、なるべくクライエントさんがより積極的に変容のプロセスに挑戦してもらえるよう努めています。
一般的に心理療法はある程度期間が必要な作業ですので、②まで進めた場合でも、もっと先へ、もっと深く進めていくことはできますが、それはまた必要な機会が訪れた時や、また取り組んでみようと思った時で全くOKです。
このように、条件がある場合でも、それに合わせて一緒に進めていっています。
むしろ明確に提示してくださると、協働作業が明確になるので、有難いです。
クライエントさんのご希望は、こんなふうにとても重要なものだと考えています。