よい感覚に留まる30秒

カウンセリングセッションの中では、さまざまな感覚や感情が起きます(そのように進めていく心理療法のスタイルで行っています)。

カウンセリングに来られる方は、辛い気持ちや苦しい気持ちがあって、それを何とかしようとアクセスされるので、そういう「ネガティブ」なほうの気持ちは、比較的すぐに現れてきやすいのですが、

私が行っているアプローチでは、「ポジティブ」なほうの気持ちも同じくらい、

いえ、むしろ積極的に重視します。


ポジティブな気持ちとは、

満たされている感覚

誇らしさや自信、力強さ

あたたかさや優しい感じ

大丈夫!とかホッとする安心感

これでいいのだと肯定する気持ち

パワーやエネルギーの感覚

などがあります。


このようなポジティブな気持ちが現れてきたときはビッグチャンス!

私は逃しません(笑)。

その「よい」感覚や気持ちを味わったり、ただそのまま体験することを提案します。

「よい」感覚や気持ちは、必ず私たちの力の源になるからです。

この源をしっかりつくることや、力をいつでも感じたり使ったりすることで、「ネガティブ」なほうの気持ちも、より対処しやすくなっていきます。

また、良いものも良くないものも、全て自分の中で大切にしたり、自分のものとして統合していくことへつながっていきます。




ところが、ポジティブな感覚や気持ちを存分に味わうことが苦手な方は少なくありません。

良い感覚・気持ちをそのまま感じてみてください、と伝えると

すぐに不安がもたげてきたり、いろいろな考えが頭に浮かんできたりして、

良い感覚・気持ちがあっという間にどこかへ行ってしまうということはよくあることです。


それは、慣れていないから。


あまり知らない感覚や気持ちが起きると、たとえそれが良いものであっても、「いつもの自分の状態ではない」ということが不安を引き起こすのです。

そして「いつもの自分の状態」に戻すように、身体や心が反応していきます。


それで、セッションでは「30秒味わってみませんか」と提案します。

たった30秒!

でも、ちょっと数えてみてください。意外と長いんですよ~。

慣れていないと、30秒は長すぎて苦痛になったりします。

そういうときは10秒から。


そうして少しずつ慣れていって、30秒どころか、「良い感覚や気持ち」が満足するまで、「良い感覚や気持ち」が自然に進んでいくままに、好きなだけたっぷり味わえるようにしていきます。


たった30秒。

でもたっぷり、30秒。