根は生きている
昨年、ほんの2,3日であっという間に盆栽を枯らしてしまいました。
葉が急にしおれ、枯れていったのです。
うかつでした…。
盆栽初心者のアルアルですが…(泣)
でも、もしかしたら木は生きているかもしれない、翌年にはまた葉が出てくるかも、と思い、植え替えをし、水やりや肥料を続けていました。
そうしたら…!
…新しい芽吹き!
木の部分はやはり完全に枯れてしまっていたのですが、根はまだ生きていたのです。
「樹木たちの知られざる生活」には、500年ほど前に切り倒された切り株が、実はまだ生きているということが書かれています。
葉のない切り株は光合成ができないので生きていけないはずなのですが、近くにある他の木の根を通じて栄養を受け取っている、ということが書かれていました。
私の盆栽は鉢植えなので、他の木から栄養をもらっていたわけではないのですが、根が生き続け、そこから新しい命を生み出しているというのは、深い驚き、そしてよろこびがありました。
いえ、新しい命というのではなく、全体が命そのもの。
植物は、人のこころのメタファーとして受け取るものが多いなぁと感じているのですが、
心が暗く沈んだり、エネルギーを感じられないような中でも、
細胞の一つひとつ、身体そのものは命を続けていて、
それは頭や心では感じられなくても、確かにあるのだ、
そういうことを、この小さな盆栽から感じました。
…そうしてしばらくすると、また新しい芽が。
盆栽としては、「美しさ」の基準からは外れてしまったと思います。
でもこれもまた一つの世界。一つの宇宙。
そういう気持ちで、お世話を続けようと思っています。