心理士の急性神経症状体験記① ~日々の身体自己調整はこんなふうに役に立つ!
8月にブログ更新が空いてしまっておりましたが、理由の一つが緊急入院でした。
短期間で退院でき、後遺症などもなく現在はすっかり元気です。
救急救命センターに到着して、テキパキと処置が行われている中、意識ははっきりしていたので、「死なずに回復できたなら、これはネタになる…」とぼんやり思っていました(職業魂?)。
結果的に回復した今、とても興味深い体験だったので、次の二つのテーマで書いていきたいと思います。
①身体とセルフ・コントロール
:身体のなすがままではなく、自分でコントロールする ~普段の自己調整は土壇場で発揮される!
②トラウマとなる出来事と回復
:自分の気持ちや考えによってではなく、身体に委ねていく~身体はトラウマからの解放のすべを知っている
①と②は、身体と意思について真逆のようですが、共通することがあります。これは後のブログで書いていきたいと思います。
私が救急搬送されたのは、農薬曝露によって神経系へ作動した急性症状のためでした。
まず初めに、血の気が引くような、高熱が出る前の悪寒のような感じがして、それから呼吸が早くなり、加速していきました。
この時は何が起こったのかわからないままでしたが、後から調べると、この農薬による中毒はすべての神経系に作動して症状を引き起こすものでした。具体的にはこんな症状です(一般的にわかりやすい言葉で記載しています)。
初めに起こった強い自覚症状は、動悸、呼吸数増加(呼吸困難)、発汗でした。
肩で速い息を繰り返しているうちに、手足にしびれが起き、硬直してきました。
も、もしかして農薬が身体に回ってきた?!?!
このとき救急病院にいたのですが(※)、「うちでは対応できない」と言われ、病院側も対応に困っている様子だったので、私は不安とストレスが強くなっていたところでした。
「別の病院へ行くべきなら行くから、早く言ってよー。一体どうすればいいのよ~(泣)。」
症状は立っていられないぐらい強くなっている上に、不安と恐怖感がせり上がってきたとき、ふっとあることが浮かんだのです。
これは過呼吸と同じ状態ではないか?
手足がしびれてきたのは、農薬ではなく過呼吸による可能性があるのではないか?
呼吸によって起きているならば、自分でコントロールできるはずではないか?
過呼吸は、浅い呼吸が続くことで起き、血液中の酸素が多すぎ、逆に二酸化炭素が少なすぎる状態で、浅い呼吸が続くと、手先・足先がしびれてきます。
そこからはすぐ呼吸調整に入りました。
私はヨガで、「3カウントで吸って、一旦止め、6カウントで吐く」という鼻呼吸法をやっています。いつものその呼吸法では、吸うのが長すぎて身体の反応のほうに引きずられてしまいそうだったので、吸うのは1カウント、一息で吸い、できるだけ長く止め、なるべく長い時間をかけて口から吐いていく。吐ききったらできるだけ長く息を止め、また1カウントで吸う、というのを繰り返しました。
身体はもっと吸いたがっているのですが、身体の欲求には我慢させて、自分の意志でコントロールするよう意識しました。
マスクをしていたその上からハンカチで口元を押えて、吸う呼吸量が少なくなるようにもしました。
頑張って続けていくと、しびれがゆっくりとおさまってきました!
さらに、不安や恐怖感も落ち着いてきたのです。
そうして別の救急救命センターへ到着。
処置が行われている間も、呼吸過多へ傾く動悸はまだ続いていたので、呼吸のコントロールはひたすら続けていました。
身体的、心理的な効果を感じられたこと、それを自分でなんとかできたことは、ある程度平常心を保つことに役立ちました。
(だから「ネタになる」なんて考える余裕もあったのかもしれません😅)。
呼吸調整が効果を発揮したのは、この時だけではありませんでした。
次回に続きます。
※救急病院は1次、2次、3次とあるのですが、選択の区別がついていなかった私が最初に自ら受診したのは2次でした。そこで対応できる疾患・症状ではなかったため3次救急救命センターへ搬送されたという次第です。