「ポジティブ」を拡大する ~AEDP™セラピーの選択と実践④

自分を肯定するということについて、以前ブログに書きましたが、今回ももう一度同じテーマで、でも、少し違った視点から書こうと思います。

というのも、最近仕事で、私は自分で自分のことを認める視点を持っていなかった!と気づいたからなのです...。

それで、自省もこめて、このブログを書きます。


私はAEDP™セラピーという心理療法をベースにカウンセリングを行っています。アメリカのAEDP™研究所の認定セラピストを目指して、現在もトレーニングを続けています。

AEDP™セラピーは、クライエントさんの問題や病理に注目し、それを改善や治療するという考え方をとっていません。クライエントさんは、たいてい、辛い、悲しい、苦しい、混乱している、などの感情を抱いてカウンセリングに訪れます。そういうしんどい気持ちや状況をなくすにはどうすればよいか、というのが、従来の心理療法のスタンスです。

AEDP™セラピーのスタンスは、「癒されたい」「自分を高めたい」「人とつながりたい」といった、クライエントさんがもともともっている原動力に注目し、それを引き出していくものです。

こういう原動力は誰にもあるのですが、クライエントさんのそういう原動力は、隠れてしまっていたり、抑え込まれてきていたり、じっと時を待っていたりして、クライエントさん自身には感じられなくなってしまっています。


私はもともと、こういう視点を大切にするやりかたでカウンセリングを行ってきましたが、AEDP™セラピーのトレーニングを続ける中で、それをもっと早く、もっとはっきりとクライエントさんと共有していくプロセスができるようになってきたと思います。

だから、クライエントさんのこの原動力を見つけるのがとてもうれしいし、それに注目して、一緒にこの原動力を大きくしていくプロセスも、クライエントさんのすごさに胸がいっぱいになることがたびたびあります。


ところがところが。

私自身が、それをAEDP™セラピーのトレーニングの中で行っていなかった…ということに気づいたのです...(汗)。


心理カウンセリングのトレーニングでは、SV(スーパービジョン:自分が行ったセッションを指導者に見てもらい、アドバイスなどを受けるトレーニング)がとても重要です。SVを受け続けるのは、カウンセラーとして必須で、私も継続してAEDPのスーパーバイザー(指導者)にSVを受けています。

SVを受ける前にまず自分で振り返りをし、わからなかったことや困ったことを整理したり、上手くできなかったり失敗したと思うところを拾い出し、それをスーパーバイザーに見てもらいます。そして、スーパーバイザーから指導を受けます。

私は、開業するまでは、自分のセッションが問題だらけだと思ったり、そもそも問題もわからなくて情けなく思ったりしていました。今はそういうぎこちなさはずいぶん少なくなったと思います。

それでも、100%満足できることはなく、「あー、ここ、良くなかった~」と反省したり、どこをどう改善すれば、よりよいセッションができるのだろう…と、録画させてもらったセッションとにらめっこしています。



...私がやっていること、これって、AEDP™セラピーと逆...!

それに、なんと、つい最近気が付きました...。


AEDP™セラピーの創始者のダイアナ・フォーシャは、たくさんのセッションビデオを何度も繰り返し視聴し、「何が(変化や改善に)上手くいったのか」ということを拾い上げていったのだそうです。そうしてできた理論がAEDPなのでした。


それなのに私は、自分のセッションで、上手くいったところではなく、ダメなところにばかり目を向け続けてきたのです…。

ダイアナのこの話は、何度も聞いて、もちろん知っていたのに。

それなのに、私は自分の中のどこかで、この話をブロックしていたようです。それも、自分で全く気付かないくらい無意識に。


なんてこった、でしょう...。

私は、健康的な自己肯定ができるようになるのが簡単ではなかったのですが、こんなところに自己否定の癖を残していたことに気づきました。

根深いです...。


もちろん、それが悪いというわけではありません。

でも、よかったところを、きちんと、しっかりと見て、それを大切にすることは、問題をなくすことと同じくらい、もしかしたら、それよりもずっと重要なことです。

単によかったね、すごいよ、と自賛したり、自己満足するのではなく、できたこと、やっていることを自分の「糧」にする。

これが、子育てでも教育でも、クライエントさんにも大切なのに、自分自身はトレーニングでやっていなかった...!


こういう書き方が、自分ができていなかったことにまた注目してしまっているような気もしなくはないのですが(最初に「自省」なんて書いてますし💦)、このことに気づいて、そういう感覚とは違う、とても前向きな気持ちが私の中に生まれています。


否定ではなく、改善ポイントの発見。それは、「もっと」「さらに」にもっていくために。

肯定(実績、成功)は、それをより拡大するために。

そのどちらもなくても、どちらでもなくても、こうやって見ているプロセス自体に価値がある。


これからは、今までとは違った目で、自分の仕事を見ていきたいと思います。