わたしらしい「つながり」の経験とは

前回はハンナ・ギャズビーのTEDトークを取り上げたのですが、このトークで印象に残ったことがもう1つありました。

それは、「つながり」という体験の多様性です。


ハンナは自閉症を持っている背景があり、考えていることをそのまま話すということに困難を感じています。

頭の中では、独創的な象形文字のような形で思考し、物事を深く考えていますが、それを“翻訳”すること、つまり他の人との共通言語として話すことに困難があるそうです。

コミュニケーションの困難に加え、自分の傷をネタにしてコメディをしてきたことで、自分自身を切り離してきました。

その深い孤独。


人と話すのは難しいけれど、スタンダップ・コメディアンで大成功しているという不思議。

「ナネット」の大反響からハンナが発見したのは、スタンダップ・コメディを介して人とつながる、という体験でした。

神経多様性のために、人の話を聞いたり、自分から話したりという形でのコミュニケーションによって人とのつながりを感じるのは難しかった。

でも、自分にとって得意な形で提示したものを、聴衆が受け取り、感じ、反響する。ハンナは、それを通して、自分が世界とつながっているという実感を得ました。

直接人と話をしたわけではないけれど。


こういう、「つながり」の形もある。


太陽の光でオレンジがさらに鮮やかに。
左端の黒いのはうちのワンコ。


このTEDトーク、最後にハンナが言います。

「つながりは、私だけがつくるものではないのです。みなさんも参加するから、つながりができるのです。」


ハンナのように、自ら何かを提示できる人は多くはありません。

でも、提示されたものを、受け取ること、そこから感じていくことで「つながり」は生まれます。

「ナネット」だけでなく、好きなもので。

音楽や小説、どんなことでも。