マインドフルネスはPTSDに禁忌か? ①

「マインドフルネス」はかなり広く知られる言葉になりました。

「マインドフルネスが不安やストレスを軽減する」という研究結果や実践の積み重ねがあり、「PTSD症状へのマインドフルネスの効果」についての研究もあります。

一方で、「マインドフルネスを行うとPTSD症状が悪化する」ということも言われています。


真逆の説明は、混乱してしまうでしょう。

いったい、どっち???


先に結論から述べましょう。

マインドフルな気づきはPTSDに効果的ですが(症状としては現れなくなります)、マインドフルネスはPTSDを悪化させる場合があります。


もともとは、マインドフルな気づきや注意の能力が高まっていくと、PTSD症状の軽減やコントロールをもたらす、というものでした。

そこから、PTSD症状を軽減するためにマインドフルネスのトレーニングを行う、という方法が行われました。トレーニングによってマインドフルな気づきや注意の能力を高めていくことで、PTSD症状が軽減するという考え方、つまり逆方向の考え方で「トレーニング」が生まれたわけです。


マインドフルネス瞑想のトレーニングは、日々の積み重ねを何年も行うことで、マインドフルな状態へ移りやすくなったり、その状態が長く続くようになります(ヨギーがそういう状態です)。


「マインドフルネス」

「マインドフルネス瞑想」

「マインドフルな状態」


似たようなカタカナ用語が現れてきました!余計に混乱してしまうかもしれませんが、ここが注意どころです。

このような、似たような用語の意味するところが錯綜していることが、「マインドフルネスとPTSD問題」を混乱させているのではないかと思います。


マインドフルネスは、「 今ここでの経験に評価や判断を加えることなく注意を向けること」。

マインドフルネス瞑想は、そのような注意の向け方へと誘導していくことであり、その練習や実践です。

そして、今この瞬間に注意を向けている状態を、マインドフルな状態=マインドフルな注意の向け方が行われている状態、になります。


PTSD症状へのアプローチで重要なのが、3つ目の、「マインドフルな注意を向ける」ことです。


長くなりましたので、次回に続きます。