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誰の中にもある「心の平和」とは

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心の平和でイメージするのは、どんなことでしょうか。 恐怖や不安がない感じ。 穏やかでほっとする感じ。 静かでゆったりとした流れの世界。 森絵都さんの「つきのふね」には、「心の平和」という言葉が出てきます。 主人公は中学2年生の女子・さくらと梨利の2人と男子・勝田くん。 女子2人はとても仲が良かったのに、ちょっとした出来事をきっかけに断絶していました。 そういう中で、勝田くんがさくらに言います。 「オレは、ひとりになるのがこわいんだよ」 「ときどき発作みたいにどっとさびしくなる。ぞっとするほど、さけびたくなるほど、気が狂いそうなほどさびしくなる。」 「でもさ、オレがそうしてキレそうになったとき、頭にこう、ふっと思い描くとなんとなくほっとする光景ってのがあるんだよ」 それが、今は話すこともできなくなってしまったさくらと梨利が楽しそうに話している場面なのだと。 「そういう姿を思い出してると、それだけでけっこう心がなごむっていうかさ。やばいムードから抜け出して、またすっといつもの自分にもどれそうな気がするんだよな」 勝田くんは、これを「心の平和」と言いました。 「心の平和」を持つ。 これは私たちにとって、とても重要なことです。 そんなものはない、私の心の中はいつも嵐が吹き荒れ、緊張感にあふれ、怒りや悲しみでいっぱいで、真っ暗な孤独しかない、と思う方もいるかもしれません。 でも実は「心の平和」は誰にもあるのです。 こちらの本には、このことについて丁寧に詳しく書いてありますのでぜひお読みください。 「心の平和」は、心理学的には「リソース(資源)」と言います。 リソースは、生きている人間には必ず存在します。 これは「心が平和」ということではありません。 「心が平和」ではなくても、心の中に(身体の中に)「平和」な部分はいつでもだれにでもあるので、それに気づき、意識を向け、その存在を確認します。 これはリソースそのものであり、またこのような意識の向け方がリソースをよりリソースにしていくことになります。 リソースは、心地よいものや幸せな気持ちになるもの、満たされるもの、ホッとするものでなくてもリソースです。 なんでもないもの、どうってことないこと、 これもリソースになります。 またリソースは、いつも同じものである必要はありません。 「今」リソースであればいいので、いつでも変わってもOK...