自己嫌悪と恥②

前回から続きます。


自分を恥じたり自己嫌悪を感じている、と自分でもう気づいていたなら、そこへ取り組んでいくことができますが、恥と自己嫌悪のやっかいなところは、そう感じていること自体を隠してしまうところです。


明らかな過ちを犯してしまって感じる恥は、自分でも気づきやすいのですが、「自分=恥の存在」が深く浸み込んでいる場合は、次のようなことにも恥と自己嫌悪が引き起こされます。


  • 自分への高い理想が実現されなかったり自分に課した要求を遂行できなかったとき
  • 「エラー」範囲でしかないような通常のミス
  • ある程度成功したりやり遂げたとき
  • 人からの注目、視線
  • 相手の、ある表情、ちょっとした言いよどみ、声の微妙な変化、微妙な手足の動き
  • 自分の意見や希望を言うこと
  • ゆっくりしていたり、手を抜いたりしたとき
  • 楽しかったり幸せに感じたとき
  • びっくりさせられたとき
  • あるニュースや情報を目にしたとき
  • 誰かに(優しく)触れられたとき


これって、何でもあり、全部ですよね…。

そうです。恥が引き起こされるきっかけは、その人にとっての「何か」。

それは具体的なことだけでなく、ありとあらゆるものがきっかけになります。

自分では気づかないような、意識されないようなことも。



恥や自己嫌悪が、「恥」「自己嫌悪」としては現れずに隠れているとき、こんな感情や感覚が起こります。

  • 不安
  • 緊張
  • 恐怖
  • 遠慮
  • うしろめたさ
  • 怒りやいら立ち
  • 悲しみ
  • 焦り
  • 戸惑い
  • 満たされなさ
  • 孤独感や孤立感
  • 無感覚(硬直した感じ)
  • パニック
  • こわばり、震え、のどの詰まり、早い鼓動
  • 腹痛・頭痛、気持ち悪さ


こんな感情や感覚は、決して快適ではないので、身体も心も、何とか回避したり、不快さを減少させようとすぐさま何かの反応や行動を起こそうとします。

そうしてさらに、「自分=恥」と気づかれないように隠れていくのです。


ですので、「自分は自分を恥じている、嫌悪している」「自分をこんなにも恥じているのだ」ということに気づくところまでは、結構な道のりになります。


次回へ続きます。