緊張感をほどく~災害や事故などの後で
2024年。
新しい一年が始まりました。
今年はお正月から大きな地震が襲いました。
被災された方、地震の影響を受けた方には、心よりお見舞い申し上げます。
寒さが厳しくなっていく中、一日も早い安心と回復を願います。
地震は、私がいた場所でもけっこうな揺れがあり、しばらく気分が悪くなりました。
阪神淡路大震災以後、ほんの少しの揺れでも身体が反応するようになりました。
身体が緊張し、こわばり、本来ならすぐに身を守る行動をするべきなのですが、すぐに動くことができません。
頭ではわかっていることですが、身体が即応しないのです。
「あれほどの地震はそうめったに起きないだろう」という過信が頭にインプットされてしまっているのかもしれません。
直接の被害がなくても、揺れなどによって身体が反応したり、
ニュースの緊迫感が伝わってくることで、緊張感が高まったりすることがあります。
「今」が安全で大丈夫であれば、その緊張感などの身体の反応は、ある程度したら回復し、元の状態に戻れるのですが、
ふだんから緊張感や不安感が高かったり、敏感に感じやすい人は、なかなか元に戻りにくい傾向があります。
緊迫感自体は、安全確保のために必要な反応なのですが、「大丈夫」なはずの状況にいてもその緊迫感が持続してしまうのです。
そうすると、「今は大丈夫じゃないのだ!」「こんな苦しいのはもう無理だ!」「もう私は終わりだ!」「死んでしまうかもしれない!」
という絶望的な気持ちになっていくこともあります。
こういうとき、
- 安全確保のための情報収集として必要がない限り、ニュースや情報から一旦離れましょう。
- 「今、ここ」は安全で、危機は起こってないということを身体で確認しましょう。目に入るものをいくつかしっかりと見たり(「本がある」「マグカップがある」など)、座っている床や椅子などを感じてみましょう。
- 身体に緊張感を感じられていたら、その部分を動かしてみましょう。わざと力をギューっと入れて、パッと抜いてみるのでもOKです。
- もう少し大きな動きや大きな呼吸をしてみてもいいと思います。立ち上がって歩いてみたり、大きく息を吐いたり。
ここまでくると、気分や緊張感に変化が起きているはずです。
カウンセリングでは、こういうプロセスを一緒に行っています。