セラピューティック・プレゼンス

先日、私がカウンセリングで主に用いているAEDP™セラピーのトレーニングに参加しました。テーマは「セラピューティック・プレゼンス」。

カウンセリング(心理療法)において、効果をもたらすいくつかの要素の中で、クライエントさんの前でセラピストがどのようであるか、クライエントさんとセラピストとの関係がどのようであるか、ということが重要であるという研究結果が出ています。

セラピューティック・プレゼンスは、セラピストの「ありよう(プレゼンス)」という意味です。

セラピューティック・プレゼンスは、

今ここにオープンであること、

今ここで起きていることをそのままに経験していくこと、

共にいて、感じ、関わっていくこと

というようなことを指しています。

これが、カウンセリングに重要なのです。



プレゼンス。

これまでどんな人の、どんなときにプレゼンスを感じたかを思い出してみたのですが、3つぐらいのカテゴリがあるかなと思いました。


1つは、静謐な存在感が伝わってくる人。

私やほかのことに気づいていても気を取られず、ただただ「あるがまま」のような状態にいます。座禅中や瞑想中のような感じです。

その静かな存在感に、だんだん私も、その人のことも他のことも気にならなくなっていって、自分の内側の世界に入っていくような、そういうプレゼンスを示す人です。


2つ目は、一緒にいてくれている、と強く感じられる人。

“本当に”私の話に、私の言葉に、耳を傾け、心を傾けていて、寄り添っている、一緒にいるということをしっかりと感じさせてくれます。

その深い関りに、緊張感が解け、自分自身が現れてくるような、そういうプレゼンスを示す人。


3つ目は、後からじんわりと響き、ずっと心に残る人。

一緒にいたその時は、当たり前のような、何でもないような時間だったけれど、いつの間にか心の大切な場所に残っています。

出会えてよかったなあ、有難いことだなあと、思い出すたび感じる、心の中に存在(プレゼンス)する人。



セラピストとしての私は、正直、十分な「セラピューティック・プレゼンス」があるかどうか自信がありません。

(それでトレーニングを受けているわけですが。)

今も、これからも、大事な課題だと思っています。