「感情の経験」もトレーニング
プロフィールに書いていますが、私は2年ほど前からピアノを始めました。
目標は漁師ピアニストの徳永さん😄
すごい。52歳から始めて、60歳のときにフジコ・ヘミングさんと共演!
こういう方がいると、「こんな歳から始めても…」という恥の感情は消えてくれます。ありがとう~。
私は楽器は未経験で、そして年齢的な壁ももちろんあって、1曲が弾けるようになるまでが大変です。何回もしつこくやってます。
そうすると、あららら!と指が勝手に動く瞬間が訪れてくれるのです。
これが気持ちいい。
指が勝手に動くなんて!!!
楽器をされている方なら「なんだそれ」みたいな話で恐縮ですが、こんなふうに勝手に身体が動くのは驚きです。
今回この話をしているのは、「感情の経験」と重なるところがあるなと思ったからです。
感情は誰もが感じていますし、持っているものですが、二つの側面について、あまり経験されていなかったり、難しかったりすることがあります。
一つは、感じるのが難しい感情を感じること。
考えると大きな痛みを伴う経験や出来事、あるいは自分自身の受け入れがたい側面は、感じるととても苦しく辛いので、あまり深く考えないようにしていることが多くあります。
もう一つは、どのような感情であれ、深く深く感じること。
歓喜に心を震わせる。
心の底から怒りを表現する。
喜怒哀楽に限らず、快適な感情も、きつい感情も、深くしっかりと感じるということは、実は簡単ではありません。
成長するにつれ、社会で生きていくにつれ、感情をしっかりと感じ、表す、という機会はどんどん減っていきます。あるいは、サバイバルの手段として深い感情から距離を取るということもあります。
「成長」や「社会性」の獲得の一方で、深い感情の体験は失われていく傾向にあります。
このように、感情をしっかりと感じるということに慣れていなかったり、不安だったり、難しかったりということは、よくあることです。
私がカウンセリングで行っているのは、「感情の体験に少しずつ慣れていく」、という作業です。
じっくり、そして繰り返しやっていくと、からだとこころがだんだん慣れてきて、ふっと、そしてスルスルと、感情の方が動いてくれる、そういう動きをつくっていくのをサポートしたいと思っています。
私のヨガの先生は、ポーズをとるときに必ず「無理をしない、でも少しだけ挑戦する」ということを言います。
例えば前屈のストレッチをするとき、力を抜いて、伸ばす部分に意識を向けます。グイグイやるのではなく、でも「ちょっと痛いかな~」ぐらいまで前屈して、そこでキープ。息を吐いて力を抜くと、痛みが軽くなってきます。そこでまたもう少し伸ばす。「痛いな~」と思うところでまた息を吐いて力を抜いてキープ。
今日はとりあえずここまで。
これを毎日やっていくと、タキミカさんみたいにできるようになるわけです。
nippon.com「90歳の現役フィットネス・インストラクター、“タキミカさん”が描く夢」 より写真をお借りしました。 |
感情の体験への慣れも、こんな感じです。
カウンセリングは、オーダーメードな感情トレーニングです。