他者の怒りに直面したとき③

他者の「怒り」(攻撃)に直面したときどう対応するかの、2つ目の要素についてです。


2つ目は、「怒り」は関係性をつくるものであり、深めるものだという点です。


怒りは、信頼関係をつくるプロセスに大きな役割を果たしています。「怒り」の感情を処理していくプロセスは、信頼関係を感じたり、つくったりするプロセスそのものになります。

これは、二人の関係が良くなるというだけの意味ではありません。親密さや安心がより積み重なっていくこともあれば、適切な距離をとる方向に向かうこともあります。


※ここで取り上げるのは、業務ではない関係性、つまり、家族や友人の場合を想定しているものです。職場の人間関係でも一定当てはまると思います。


他者が怒って攻撃的になっているとき、「怒るのはいいけれど、八つ当たりは受け入れられない」ということを伝え、それが伝わる場合は、このプロセスをスタートすることができます。

怒っていいんです。でも攻撃はダメ。

相手が拒否してさらに攻撃が増す場合は、あなたも拒否してその場を離れましょう。そうでないと、あなたも緊張が高まって、たいていの場合はお互いにしんどくなったり、危険な場合もあります。


そして大事なのはここから。

怒りは何かを主張しているので、「怒り」の主張に耳を傾けてあげる必要があります。「怒り」は、聞いてくれる誰かを必要とする感情です。

その「誰か」として、あなたが、その本人と一緒にその「怒り」に耳を傾けていくことが、二人の関係をつくり、深めていくことにつながります。

これは「怒り」(その人の主張)の言うとおりにするという意味ではありません。まずは言い分を聞こうじゃないか、というものです。

ですからこう伝えるのはどうでしょうか。「八つ当たりをせず、落ち着いて話せるなら、話を聞きます。」


とはいえ、相手はヒートアップしてます。

ですので、まずはこちらから。

一つは「自分で落ち着かせてから来て」。もう一つは、「落ち着くのに助けが必要なら、手伝います」。どっちがいいか選んで、と提案もできます。

後者は子どもには助かるし、必要だと思います。気持ちを落ち着かせるスキルをつけていくことができますから。方法としてはコレモなどが参考になると思います。


こうやって攻撃を鎮め、「怒り」が、きちんとその主張を言える状態をつくります。

そうすると、「怒り」が求めていることがきちんと見えてくるでしょう。

そうして見えてきたものは、あなたが受け止めなければならないことかもしれません。

実は相手が受け止めなければならないことだったかもしれません。

二人ともが受け止めていくことなのかもしれません。

それとも、全く違うことがテーマなのかもしれません。


これは簡単でも楽でもないプロセスです。本当に大変です。

でも本物の関係をつくっていくって、大変なことではないでしょうか。

読まれてどう思われましたか?

「私は、この人と、このプロセスをしたくない…」

もしかしたらそう思ったかもしれません。

これが大変なプロセスなのは、自分自身、相手自身、そして二人の関係の本質に触れることだから。

ですから、より親密になることもあれば、距離をとっていくこともあります。



「怒り」についてのブログが続きましたので、次回は話題を変えて書こうと思ってます!