自分の距離感を知る
人間関係における距離感。
結構難しいことってあるんじゃないでしょうか。
相手と自分との感覚が違うとき。
その場で求められる(と思う)感覚と、自分の感覚が違うとき。
そうすると、
自分が我慢したり妥協したりして疲れてしまう...
違いが露わになると不穏な空気が漂ってしまう...
求められる距離感の圧力に苛立ちや怒りを感じる...
相手が近すぎて、恐怖感を感じる...
距離感については、まず初めに大切にしたいのが、自分にとって心地よい、大丈夫、耐えられる、などと感じられる距離がどのくらいか、ということへの注目です。
距離感は文字のとおり、物理的な距離によって感じる感覚からよくわかります。
体験的なワークをご紹介しましょう。どちらも比較的親しい人(たち)と行ってみてください(ワークなので、安全に進めるほうがよいですから)。
【やり方①】
比較的親しい人に前に立ってもらい、その人に正面から近づいてもらう。
ものすごくゆっくりと近づいてもらったり、足早に近づいてもらったりしてみてください。
その人はどの距離にいてもらうとよい感じがするか?少しずつ近づいてきたとき、どのあたりから「近い!」と感じるサインが生まれるか。
これは身体が感じているはずです。なんとなく緊張感がある、ドキドキする、モヤモヤするなどです。
これ以上はダメ、と思う距離感はどのあたりか。
これをお互いにやってみると、自分にとっての(その人との)距離感はどのくらいか、そして、自分はそれをどんなふうに感じているかを体験できます。
【やり方②】
二人以上で行います。
長いロープを用意します。それを自分の周りにぐるりと配置します。
ロープの中心に座ってみて、ロープの輪の大きさが自分にとってよい感じかどうか感じてみます。必要ならもっと大きく、あるいは小さく。
他の人は、それを穏やかに見ています。
自分がその輪の中に座り、ロープの外にいる人を見てみます。また、その輪の中にいることを感じてみます。
どちらのワークも、相手によって、距離感がかなり違うことがわかります。
カウンセリングのセッションでも、ある人(たいていはクライエントさんが苦手とする人)が、どのくらいの距離にいると大丈夫と感じられるか、ということをイメージしてみます。
カウンセリングをしているこの部屋の中にいてもOKか。部屋のドアの外ぐらい?建物の外?もっと遠く?
カウンセリングでは、カウンセラー(私)がいますから、私が一緒にいる感じも併せて感じてもらいます。また、私がどのへんにいるとよいか、ということも感じてもらったりします。
とても大切にしてほしいのが、そうやっていろいろと試している中で感じている、クライエントさんのその感覚。
それに良し悪しはありません。
自分が大丈夫とか、安心と思えるのに、どのくらいの距離感が必要か、ということを身体で感じてもらう。それはクラエイントさんに必要な「距離感」なのです。
相手による距離感じゃなくて、自分による距離感を中心に体験する。
これが、この体験で大事にしたいプロセスなのです。
実生活では、自分のこの安全な距離を失礼にもぶち破ってくる人と直面しなければならないことは多いかもしれません。
これにどうやって対応するか。それは次のステップになります(それはまた別のブログで書きたいと思います)。
でもまず、自分の距離をしっかり感じることから、その次のステップは開かれていきます。なぜなら、守らなければならない距離を、まず知る必要がありますから。